荒川流域ネットワークの新年話題

 年末から新年にかけて、荒川流域ネットワークで話題になっていることがあります。ネットの理事が日高市の小畦川での護岸工事を見て実態がどうなっているのか、問題提起を行いました。
 メンバーからいろいろな意見が出ました。それを受けて、私も日高市のメンバーとして現地へ行き見てきました(写真)。メンバーの中には護岸工事について専門的な意見を述べた人もいますが、私は全くの素人、勉強するつもりで議論に加わりました。

より大きな地図で 小畔川の護岸工事 を表示


 「蛇籠で両岸を深く細く絞った直線の護岸工事。最近はこうした工事が支流になっているのか。昔の小畔川の工事に比べると明らかに後退しているようだが、何か事情があるのか」
「布団駕籠護岸で、誤った多自然型工事の代表格です。直線で、護岸が浸食される心配のない区間で、過剰工事ではないか。なぜこの工法なのか、まずは話を飯能土木に聞いた方がいい。」等々の意見です。
 これを受けて、日高市在住の理事が飯能土木事務所に話を聞いたところ、大体、次のようなことでした。
 飯能土木の説明。「この区間は増水時の洗堀により、護岸の鉄板の矢板が崩れたため、地域の住民からの要望があり、緊急復旧対策事業として施工した。施工にあたっては、環境に配慮して矢板ではなく、植生が戻るように蛇籠に した」
 この工事はほぼ終了していますが、荒川流域ネットワークは河川環境団体として県の河川行政、土木行政と関わりがあるので、話を聞きに行くことになり、私もいっしょに行くことになりました。
 環境を無視した垂直護岸から多自然型護岸への転換程度の大まかな知識はありましたが、河川工事の詳しいことは知りませんでした。この際、しっかり話を聞いて勉強してきます。
 その時、水辺再生事業についても、いい機会なので聞いてみようと思います。
 写真を撮って帰る途中に気がつきました。「しまった、撮るのを忘れた」と。橋から少し離れた所に、大量の土砂が捨てられていました。これを撮ってくるべきだったのです。道路から簡単に河畔にトラックで乗り入れられるので、土砂の投棄が可能です。
 護岸工事もさることながら、「水に流してしまおう」というけしからん仕業、こちらの方が気になります。30年以上前、日高に越して来たころよく高麗川で釣りをしていました。大量の灰を川に流していた崖上の屋敷の人を一喝したことがありました。
 「水に流す」――何事もなかったように表面上はなりますが、問題は沈潜してしまうことが多い。