脱穀ひとまず終了

 22日にみどり米をのぞくすべての脱穀を終えました。生育の遅いみどり米は昨日刈り取り、いま干しているところです。はざがけの棒は片づけて、田んぼはようやくさっぱりした感じになりました。

 左のブルーシートがかかっているのがハーベスター(脱穀機)、その隣りにバインダー(稲刈り機)です。両方ともポンコツながらよく働きました。今年は機械を動かすのに十分な仕事量がありました。
 大きいブルーシートをかぶせてあるのは稲わらです。きれいなわらがたくさんできたので、大切に保存し、希望者にこれから配達です。例年、わらを希望されながら実現できなかったので、わらを差し上げることができるのも嬉しいことです。
 稲刈り機は快調そのもの、一度も稲を束ねるひもが切れませんでした。しかし、最後は調子が戻りましたが、脱穀機の調子が悪かったことには泣かされました。雨が断続的に続いたのと脱穀機の不調で3週間、この間、「すずめの大群が米を食べているよ」の声を耳にしながら、故障と格闘していました。
 脱穀機のエンジンはジーゼルです。このジーゼルエンジンが動かなくなったことは初めての経験でした。というのは、ジーゼルは燃料も入れっぱなしで全く支障がないし、1年間使わなくて放置してあってもエンジンは一発でかかる、などガソリンエンジンと比べ手間がかかりません。
 但しそのことは、燃料が切れていない限りという条件のもとです。ジーゼルエンジンンは燃料を切ってはいけないのです。ガソリンエンジンの場合、機械を使った後は燃料コックを必ず切り、余分な燃料が残らないようにしておくのが維持するコツです。
 この違いはしっかり頭に入っているはずだったのに、今季最初の出動のために小屋から出した時にうっかり燃料コックを切ってしまいました。その後切った状態でエンジンをかけ、しばらして燃料切れでストップ。自分の不注意で招いた結果です。
 さぁ、こうなったら大変です。燃料系統から空気抜きをしなくてはなりません。
 今年の夏、足利市に行った時のことです。渡良瀬川にかかる橋を渡ったところで1台前の大型トラックが故障でストップ、あと50メートルで国道との交差点という場所です。
 聞けばガス欠とのこと。移動のための応援の車を呼んでも、小さな運送会社で手もなく足もない状況らしく来ない。激しい雨の中で運転手は「空気抜きをやったがうまくいかない」と呟いています。後ろに詰まった車の列は橋の後方はるか先です。1台前の超大型トレーラーの運転手。八戸から前日朝出かけ、近くの工場で4時までに荷を積み込む約束とのこと。こんな状況でずぶ濡れになって懸命のリカバリーをしてもエンジンはかからない。
 このとき、横の倉庫会社の構内を検分したら、それを突っ切っていけば国道に出られることが判明、何とか脱出できたが、あの状況はどうなったか……。そう、ジーゼルエンジンは一度燃料切れを起こしてしまうとやっかいなのです。

 この時のことを頭に浮かべながらの回復作業でした。毎度のことながら師匠の応援を頼みました。一度はかかっても持続しません。そうこうするうちに古い同型の脱穀機の取扱説明書が出てきて、解説を参照しながらの分解清掃作業です。こうしてようやく運転が持続するようになりました。
 いい勉強をしました。そしてダメ押しの勉強です。
 リカバリー後の試運転をしながら脱穀作業を見ていた師匠が「そんなやり方をするのか」と声をあげました。機械の機能を全く活かしていないやり方をしていました。詳しくは書きませんが、正しいやりかたをしたら、それまでの数倍の速さでした。
 さて、肝心の収穫量、いま計量中ですが、どのくらいになりますか。めったに味わったことのない数字の楽しみです。