新たな縄文遺跡の発見――台の縄文遺跡(1)


 これはどこでしょうか。武蔵台の住民の方はすぐ分かると思います。武蔵台から高麗駅ガードをくぐって国道299に突き当たるT字交差点です。飯能寄りの台交差点までの国道拡幅工事が完了に近付いています(現在は完成しました。)。
 ここから秩父方面、ガソリンスタンドがある久保交差点までの工事も同時に行われると思っていました。完成の折には、歩道ができて安全が確保され、車の流れも円滑になると期待していたのですが、どうも、そうはならず、工事は大幅に遅れるようです。
 その理由は二つあります。
 一つ目は、縄文遺跡に入る入口の用地が未買収であること。
 二つ目は、この写真に写っている正面の高地部に、発掘調査で縄文遺跡があることが分かったこと。
 ここでは二つ目のことについて、分かったことを書きます。この辺の場所をグーグル地図から見るとこうなります。

より大きな地図で 高麗駅入り口に新しい縄文遺跡 を表示
 地図上の青い目玉の印の所が発掘場所で、「高麗石器時代住居跡遺跡」は、その北西、約50メートルくらい離れた所にあります。
 高麗石器時代住居跡遺跡は高麗駅の北西200メートルにあります。昭和4(1929)年、埼玉県で初めて縄文時代の竪穴式住居が発掘調査された場所です。初期の発掘調査として珍しいことから、昭和26(1951)年に国指定の史跡に指定されました。

 今は立木でさえぎられて少ししか見えませんが、高麗川を挟んで北東方向に日和田山を望む高台にあります。背後には、小さな沢があって今でも少し水が湧いていますが、当時はもっと大きな流れがあったでしょう。
 古代人の生活への思いが自然と湧き上がる、そんな雰囲気がこの遺跡にはあります。
 この遺跡の至近の場所に同じ縄文期の住居跡が2軒発掘されました。当時、この近辺に集落があって、細長く巾着田方向に向かう台地の上を古代人が行き交っていたのだろうか。