環境映画

 「日高みどりの会―環境ボランティアグループ活動展」で環境映画を上映しました。6月頃からネットで上映アイテムをさがし、2点を決めました。環境市民というNPOが発行するDVD『未来の選択』。これは温暖化問題を啓発するドキュメンタリーです。もうひとつは、87年のアカデミー賞を受賞した作品「木を植えた男」です。
 一般的な環境テーマと子供が見られるようなテーマの組合せを心掛けたのですが、その意図は果たせたかな、と思いました。前者は、市民団体が子供から大人まで理解できるように作成した啓発DVDです。
 後者は、検索中に「環境問題をテーマにして描いた87年アカデミー短編賞(アニメ部門)受賞作」という言葉に魅かれて調べてみると、どの記事も賛辞と推奨でした。この作品については、私は全く知りませんでした。
 原作は、フランスの作家ジャン・ジオノ。アニメイラストは、カナダのアニメーション作家フレデリック・バックです。
 時代は、第一次、二次大戦が起こった頃、フランスの山岳地帯の荒野が舞台です。主人公は、ある青年がこの荒野を旅しているときに出会った農夫です。物語はこの青年の旅と人生の時間の流れの中で、この農夫の木を植える行為が浮き彫りにされていきます。
 青年は、山を歩いているとき農夫に出会い、黙々と樹の実を荒れ地に播き続け木を育てている彼の行為に魅かれました。この青年は二度の戦争に従事した後、ふとこの時のことを思い出し、30年後に再びこの地を訪れます。木も生えていない荒れ地だったところは、みどりに覆われ、小川が流れ、生活に疲れてすさんでいた村には人々が戻り、子供の声が溢れていました。
 淡い色の風景を背景に時々の風の流れと陽光の輝きが、常に揺れ動くシーンとして表現され、その中で30年に及ぶ木を植え続けてきた男の生活が描かれます。言葉は少ないのですが、いろいろなことが示唆される作品です。
 川遊びをしてきた子供たちが、10人ほどこのアニメを見に来ました。子供に見てもらうことを期待しての企画でしたから、来てくれたぞ、と私は内心嬉しく思いました。見ている途中で、親がもう解散・帰宅するからと退席をうながしにきました。集団でのスケジュールが決まっているので、途中退席はやむを得ません。
 ところが、しばらくしてこの子供たちが戻ってきました。全部見たいとのこと、これは嬉しいことです。30分の短編ですが、いろいろなメッセージが込められたアニメです。三国廉太郎のナレーションも大人の言葉でむずかしい感じがしました。
 子供たちは何を感じただろうか。話してみたかったです。