299歩道はどうなるか 

 この写真の場所は、国道299を滝不動を越していってすぐのところです。歩道が1メートルほど切れています。そこには1本のヒノキの大木があり、さらにその根元から深く切れ込んで傍を流れる沢に落ち込んでいます。

 ここは、この地形から完全に歩道がなく、ないだけでなく人が歩くスペースもありません。滝不動から斎場までの約1キロの間には歩道があったりなかったりし、数百メートルの一部区間が立派な歩道だけにアンバランスが目立ちます。この立派な歩道がなければ、こんな山間地だから歩道がなくてもそれを疑うことにはならないと思います。
 この歩道の構造になったのはもうずっと昔のことです。最近までこんな不自然な歩道であっても問題になりませんでした。一部の歩く人からは危険視する声もありましたが、車での通過者である大半の武蔵台住民は気にもしなかったと思います。
 また武蔵台はスーパーから郵便、病院まで生活の利便一切が団地内で済ませる構造でしたから、地域をつなぐ主要道を歩くことなど当初から視野にはありませんでした。
 それが巡り巡って、高齢化社会進行の余波をうけ、スーパーの撤退という予想もしていなかった事態に直面したのでした。さらにひと山超えた目と鼻の先に、中堅スーパーと人気100円ショップの新規出店があり、ここに武蔵台住民が買物に向かうことになりました。車の免許のない人は歩いていかざるを得ませんが、この危険な国道です。
 “買物難民”などとマスコミに3度も取り上げられ、危険な国道を避けてイノシシが出る山道を買物に向かうシーンも放映され、自ずと、歩道のない状況が注目されるようになりました。私もNHKで放映された自治会集会でこの国道の危険性について少々過激に触れました。
 この写真を撮ったのが8月16日、念のために撮っておこう、と思っったのでした。マスコミに報道され、住民も声を上げ地域の要求が形になり始めました。何かの変化があるかもしれないと予感したからです。