すばらしい御開帳

 稲は順調に育っています。5枚目の田んぼに植えた農林48号の生育ぶりは特にすばらしい。1本植えの苗が最初は扇形に開帳し、やがて扇の要の前後左右に分けつ(茎が増えていくこと)していきます。最大で約40本くらいまで成長しました。

 この力強い稲の生育を眺めるのがとても楽しみです。しゃがみ込んで茎を手にとると、いい調子だと声をかけたくなります。自由奔放に外に向かって広がっていく、一本植えの力強さは外見からして違います。1本か2本の苗を30センチ以上の間隔の疎植で植える稲作の良さは、有機稲作では定説です。
 それをどう実現するか、が問題です。
・物理的条件から最大の効果を引き出すためには、鍛えた苗とふさわしい管理が必要
・小規模なら手植えで一本植えは可能ですが、大規模有機稲作に対応できなければ産業として成りえないし、政策の対象となかなかならない
 この辺のことから稲作の専門的議論になっていきますが、私が出席した小川町での講演は、そこがテーマです(http://d.hatena.ne.jp/hideoyok/20090409/p1)。
 この理屈を追っていくと、米作りに関する「自然と技術と政策」の混沌が理論と技術の仕分けをしながら分かってきますが、もちろん、実践と経験がなければ理解できません。私は失敗の連続でしたが、却ってそれによって身に付いたものは大きいと思います。
 それのしても、昨年まで田の全面を覆い尽くしていたヒエは全く見当たらず、今頃はぼうぼうたるヒエを眺めて早々と負けを意識していたことがウソのようです。あのヒエは一体どこに行ってしまったのか。