春の農作業の中で―麦とネズミの巣から勝間和代まで

 暖かったせいかもう大麦の穂が大半出てしまいました。例年だったらもっと伸びてから穂が出るはずなのですが、背丈が低いのに出ています。今日も相当暖かいです。やるべきいろいろな作業が一度に押し寄せてくる感じです。

 昨年まで草ボーボーたるところは今麦畑、小麦は大麦よりは遅いが穂が出始めています。麦を全部で1反近く作ってしまいました。6月の収穫は天候との競争で忙しいし、何よりも乾燥のために平坦な広い場所も必要です。麦をござに広げて乾燥させている時に来る雨、その時の取込みの大変さは昔話によく聞きます。
 後のことも考えずになぜ、こんなに麦を作ってしまうのか。それは麦畑が好きだからです。麦畑のある景色が好きで、それを身近な所で再現しようとすれば自分で作るのが一番です。
 子供の頃、麦笛を吹いて遊んだ記憶。春の陽光が明るさを増していく時の麦の緑は美しい。緑色で一番きれいなのは麦の緑だと思う。眺めていると、時によって気分が落ち着いたり元気がでたりします。麦は福祉や癒しに効果があるのではないかと思います。
 学生の時に行った三里塚御料牧場、まだ成田闘争が始まる前でした。牧場へ行く道すがらの麦畑の美しかったっことが記憶に鮮明に残っています。時の移ろいの中に現れる一瞬の景観を撮ることや桜の写真で知られる高名な写真家も麦が好きで、麦の写真集を作ろうと意気投合しました。
 食い気の方もです。昨今は手打ちを売り物にするうどん屋は珍しくもないが、子供の頃母親が作ったうどんの旨さは感じられない。黒っぽい色のうどんで、揃えて切った最後の三角形の部分のおいしさも味わってみたい。もちろんパンも作ってみたい。パン用としての適性はあるのかないのかと想像をたくましくしますが、果たしてそこまで行くかどうか。
 ネットで検索して遭遇した「ムギ畑http://www.mugi.com/essay/index.html」というHP。風呂に入りながら本を読み月間読破60冊以上? に達するという勝間和代氏のホームページです。特別な意味もなく口に出た「ムギ」という言葉を名称としたとのこと。公認会計士、評論家、作家として経済を語り、お金の増やし方を指南し、世相を切りまくる勝間氏の「ムギ畑」は、“努力”ということの実践的事典のようです。

 マルチにしようと山際に積んであった麦わらのヤマを整理していたらネズミの子供が3匹出てきました。生まれたばかりのようで、目があいてないし、ゴソゴソとようやっと動いています。チョロチョロ動く小さな体形の山ネズミは沢山いるので、たぶんその子でしょう。山ネズミは普通屋内に巣を作ります。ここは最近まで雨除けがしてありました。麦粒が沢山あって食べるのに困らず、雨露もしのげる麦わらのヤマの中は、さぞ心地よかったはずです。巣の周りはそのままにしておきました。

 ネズミの巣があったのは、こんな所です。

 草を刈ったら、いろいろな花が出現しました。これは何という花でしょうか。花の形はすずらんに似てきれいです。