農林48号は幻のコメだった

 昨日書いたYさんからいただいたモミのことですが、私は「農林45号」と書きました。これは「農林48号」の誤りでした。自分でもおかしいなぁ、とは思っていました。そう、農林45号は麦です。農林48号はネットで検索してみると、「幻の米」という言葉が踊る沢山の記述がありました。
 昭和24年に愛知県の農業試験機関で育成されました。交配の系統が記録されている由緒正しい国家認定のお米なのです。当初は多収で食味がよいことからいくつかの県で奨励品種に指定されていました。しかし穂が出るのが遅くイモチ病に弱い事などから生産されなくなり、山梨県の一部の地域で生産され続けました。一般に販売されることはなく、米屋でも知らないと言われました。しかし東京の有名なすし店がこのお米を使っていたことから一躍知られるところとなり、今や引っ張りだことなってきました。
 以上、ネットからまとめた農林48号の解説です。これは本当に貴重なモミです。大事な宝です。何としてもキチンと栽培し、再生産できるようにしようと密かに決意しました。そのためには雑草にやられないようにしなければならない。水が常時来る田んぼでなければならない。
 どうしようか。今まで作っていた田は愛着があるが、必ず草にやられてしまう。「除草剤を1回使えば後はラクだ、1回でいいんだから使えよ」と毎年言われるが、それは信条・信念的にしたくない。水が常時入る田で作りたい……。水さえあれば草はある程度防げる、これは米作りの常識なのです。
 検索した一件のなかに「草と共存できる稲」という表現がありました。これに賭けるしかないか。そういえばYさんは、自然農の○○さんもこれを作っていると言っていました。
 Yさんは麦刈りとの塩梅で5月末にモミを播くと言っていました。そんなに遅く!とビックリしましたが、穂が出るのが遅いから大丈夫なわけです。
 山梨のほんの一部の地域でしか栽培されていない米で、しかも知る人ぞ知る有名な米――それを自分で栽培できることになる。これは新しい出会いです。今年1年限りの出会いとならないよう、未来永劫の付き合いとなるようしっかり作ろう。

今朝の朝日新聞経済蘭。こんな記事が出ていました。昨日Yさんとコシヒカリについての先入観の話をしたばかり、タイミングのいい記事です。コシヒカリブランドの先入観に安住していたJA新潟が自己批判の報告書を書いたわけです。
 商売上の先入観は大体、売上の減少、競争相手の出現によって修正されます。遅かれ早かれです。自分の実入りに直接響くことですから当然です。しかし日常生活に関する思考・行動の先入観を洗濯したり洗い流すことは容易でないことを感じます。知識も経験もある団塊の世代にしてそうなのです。
 最近、私が関わった自治会の民主化スーパー銭湯建設を問題とする「横手台・永田台の住環境を考える会」にまつわる諸々の事に関して、情報を自分で判断しないまま先入観に安住することの理由に思いが至ります。