なぜ切られたのか? 巾着田のシラカシ

 巾着田に自生していたシラカシのほとんどが切られてしまいました。天神橋近くから有料駐車場近くまでぐるりと堤防上にあったシラカシのほとんどです。大木から小木までその数、約30本くらいはあります。
 これは天神橋近くの切り後です。

 なぜ? なぜ切ってしまうのか?  
 これは、とんでもない暴挙です。理由がわかりません。シラカシに何か恨みがあるのでしょうか。シラカシだけが選ばれて切られました。写真をみれば分かるように、切り方も乱暴です。もちろん切ってはいけないのですが、要するに胴体を切断するような無残な切り方です。こういう切り方もあるのでしょうか。ここからひこばえを出すとか。樹に詳しい方、教えてください。

 理由がわかりません。川の淵や堤防の上にあり邪魔をするものではありません。それどころか護岸の崩れを防いでいました。理由を推測すれば、シラカシは常緑樹です。
 常緑樹がなぜいけない? クヌギやコナラの落葉樹とシラカシなどの常緑樹がいっしょに混ざっていてこそ里山なのです。巾着田の中から常緑樹を意図的に締め出そうという意識が見え隠れします。これは恐ろしい思想です。多様な共生を排して邪魔なものを抹殺していくという考えです。

 シラカシこそ関東の山野、里山に最もふさわしい常緑樹ではないですか。それをなぜ切るのか? 
農家の生垣や屋敷の防風林に植えられ、私たちに最も身近な樹であり風景でもあるのです。また実の“どんぐり”は童謡にも歌われ、子供たちのよき遊び相手であり、日本人の心を育んできたのです。“どんぐり”がなぜいけないのか?
 鳥にとっても大迷惑なことです。人が多い巾着田は鳥にとってもストレスの多い環境です。常緑樹のシラカシは、鳥が身を隠すのに必要です。鳥に住みづらい環境を作っていることに気が付かないのでしょうか。
 東京からよく巾着田にくるという人が激しく怒っていました。どうして、こんなことをするのか、と。私と年齢が同じ位のその人は、心底から怒りの言葉を発していました。
 シラカシを切る決定を下した市は説明すべきです。私は、巾着田整備の考え方を一貫して検証してきました。シラカシ伐採は、巾着田のあるべき姿に逆行する象徴的事件ではないでしょうか。巾着田整備に欠けているものが露呈した感じです。
  新年度予算で2600万円の巾着田関係予算が付きました。また県の予算が付いたことも新聞発表されていました。巾着田整備は近来にない活況を呈してきています。巾着田と周辺、ひいては日高のまちづくりをどのようにしていくのでしょうか。私には全体的構想が明確に見えません。
 4回ほど巾着田に関して書いてきました。(2月2日、5日、6日、26日、リンクの付け方がまだ分かりません。カテゴリーの巾着田をクリックして下さい)。まだまだ書くべきことが沢山出てきそうです。