自然農業、畑で思う今年の計画

農家のインフラに匹敵する?6か所の畑

 暮れの31日夜からブログの作成にとりかかり、何とか年賀状に刷り込めるようにと頑張り、4日に年賀状を出し終えました。その後、福祉ネットの作成途中だった広報紙を完成させました。こんな調子でこのお正月はパソコンの前に座りっ放しで、さすがに頭がカチカチになってしまいました。必要な野菜を取りに畑にいってもそそくさと戻り、ゆっくりと新年の畑を眺める間もなかったので、今日はゆっくり畑を見にいこうと朝から思っていました。
 畑は、自宅から歩いて5分以内の6か所に分散してあります。一番近い畑には山林が続いてあり、そこの整備も手掛けています。この5分以内の場所というのがは決定的なことです。
 作業の利便性ははもちろんのこと、、常に観察や工夫のの対象が身近にあることで、生活のサイクルを農作業中心におくことができます。そういえば、農家は広い屋敷の中と周囲に自給用の自家菜園があり、そこは日常生活で必要とされる野菜を手塩にかけて育てています。この広い屋敷と裏の屋敷林、その周囲の自給畑、それに広い庭に広い納屋、納屋の中に作物に応じた機械や道具がセットされ生産と調製が段取り良く合理的に運ばれるよう考えられている――これらが農家の基本的インフラといえます。
 畑が歩いて5分以内というのは、距離の近さからいえばほぼ農家と同じ条件です。また一番近い畑には山林が隣接してあり、その管理も行っているから屋敷林もあるといえます。この山林が生み出す産物が自由に使えることは、非常に豊かな農業生活をもたらしてくれ、この恩恵ははかりしれません。これについては、またいずれ……。
 しかし広い庭と広い納谷は望むべくもありません。掘っ立て小屋からあふれたものを、雨が降ればあっちに移動、こっちに収め、作業の中断、その場しのぎの防水対策……。これは仕方がありません。
 このように私の充実した農業生活の基礎をなしている6か所の畑、これらの畑を耕作させて下さっている所有者の方には本当に感謝の念でいっぱいです。これらの畑がなければ、私の生活と生き方が大幅に変わっていたことでしょう。

自然農業実践8年目の新年

 新年の畑巡りは、今年の計画を頭に描きながらです。あれをやりたい、これもやってみたいと、頭の中に抱負があふれます。今年はどんな発見と工夫の成功、はたまた失敗があるのか、それも楽しみです。自然との対話と作物の観察を中心におく素人農業者、自然農業者の強みは、先入観にとらわれず、失敗をも楽しむ過程の実践者であることです。農業だけでなく、どんな分野でも同じこと、これを軽やかにやっていこうと思う。
 自然農業の勉強を始めて10年目、実践を開始して8年目、何となくコツがわかってきた感じがします。何となく……です。土ができてきたことが第一、自然農業特有の作業のコツがいろいろな場面で、判断しながら選択できるようになったこと、観察の目が肥えてきたこと、肥料をやらなくても作物はできるという確信ができてきたこと、などいろいろあります。
 





追求していきたいこのテーマ

 さて、ブログ開設の時に、昨年12月21日にソクラテスの会の会員研修会で話したことを書きました。その時、頭の中にあったテーマを脈絡なく、でもないのですが、自分の関心に沿って並べて皆さんに提示しました。そのテーマは大きく分けて、二つありました。
 1 自然農業(無農薬・無肥料農業)の可能性
 2 食料生産の仕組み、社会制度としての農業を日高という特定の地点から眺める
 これを具体的な事例をもとに追求していき、地域の在り方やその中で生きる人間の生き方を考えてみようというもくろみです。こんな大テーマが簡単にこなせるはずはありません。今後、じっくり、ゆっくり、実践しながら、考えながら、調べながら気長に追っていきたいと思います。
 研修会の時に配布したリストを、とりあえずここに掲載しておきます。

「自然農業から見た食と農」平成20年度特別研修会

            平成20年12月21日 横山秀男

・平成11年会員に。白銀平の清掃とバーベキュー
・平成14年3.31の10周年記念フォーラム「ほわっと生涯学習―未来づくり・夢づくり」で自然農業について話す。
・平成11(99)年から自然農業の勉強開始、平成13(01)年頃から実際に開始。

・野菜を買った人からの電話

・金子バラ園さんはなぜ魚屋になったのか?――コメの話

日高市も熱心に減反推進なぜ?

自給率をめぐる議論――40%と7000万人

有機米作りの勇気と正気と勝機

・日高中央直売の野菜は安全か?――トレーサビリティと野菜の話

地産地消の優等生と中島興世氏

・自慢の先進システムだが……

・日高の野菜の有機

・日高で唯一の有機JAS認定業者アリサンと食と農に関わる若者たち

・居酒屋わたみのチジミと有機JAS

減反と未耕作地、日高に見る日本の矛盾

・敷居の高さを下げてみれば――特区は得か

日高市の農業政策

・小川町の友人と有機農業

・あなた食べる人、私つくる人――農と食に入らない市民の目

奇跡のリンゴ――木村秋則氏の9年目のリンゴの花

・自然農業であって自然農法にあらず―趙漢圭(チョウハンギュ)氏の観察の目

・“ひとつのものに狂えば、”到達点は同じ

・自然の摂理は食と農を動かすか――無農薬・無肥料農業と有機農業

・自然農業、横山秀男のやり方

・不耕起はおもしろい

・雑草のたくましさをいただこう

・肥料はやらなくても

・自家採取栽培の面白さと「種の森」

・九州高千穂に飛んだ女影産黒米とイセヒカリ

東京家政大学の挑戦、そのきっかけは?

・学者達よ、もっと深く掘れ、私たちはもっと関心を

・ひとりで見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる――巾着田の可能性