一般質問 子ども・子育て支援新制度について

一般質問の大きな項目の2点目、子ども・子育て支援新制度について。6月、9月に続く3回目の質問です。最終ラウンドに入った子ども・子育て支援事業計画を追う形になりました。4日の児童福祉審議会では計画のもとになる基本的データも出ました。最大の課題は、3歳児未満の保育で、審議会データを踏まえての質問です。
政府は、待機解消を政権の政治的課題として最重要に挙げています。消費税先延ばしにして財源が消失したわけですが、ここ数年の制度改革に費やしたエネルギーと地方の尻を叩きながらの政策課題の追求です。ここで止めるなどということはあり得ません。地方裁量のメリットを活かし、政権の思惑とは違った視点に立った子育て本来の方向を指向すべきです。
以下、質問の骨子と答弁です。
再質問は、3歳児未満の3号認定児童保育に対する施設の不足問題です。おそらく、日高市の子ども・子育て支援事業計画の一番大きい問題はここにあると思います。小規模保育事業で補うことです。
19人以下の収容人員の小規模保育事業は、新規参入事業者のために設備条件や人材面等、参入のハードルを低くしてあるが、それは子ども・保護者から見ると格差になる。利用調整がそこにからんでくると格差が発生するのではないか。この辺の課題です。


<質問の骨子>
(1) 市における新制度の重要方針である3歳未満に対する施設提供は、待機無しで可能か。
・9月議会の私の一般質問への答弁で、来年度からの市の子ども・子育て支援事業計画における重点が明らかになった。3号認定に関わる「特に0歳児保育の量の見込みを多く設定」「特に0歳児の受け入れ枠に重点を置く」である。この基本方針は、保育量の見込みとそれに対する施設の確保方策として計画案の数値として固定された。その結果、平成27、28年度で量の見込みが上回っている状況である。
第一に、これは待機が発生する状況と見てよいか。またなぜこのような状況が生じたのか。
第二に、解消する計画として、28年度で、幼稚園1園の認定こども園への移行と小規模保育事業所1施設、29年度で2つの幼稚園の認定こども園への移行と、小規模保育事業所1カ所を見込んでいるが、実現の見通しはどうか。

(2) 放課後児童健全育成事業における支援単位と職員について、施設の超過状況とその具体的対策は。
・現状は児童数60人以上の施設が5つあるわけだが、今度の市の条例からすれば指導員配置1単位当たり40人であるから指導員の数は増えるのか。

(2) 新制度移行対策としての保育緊急確保事業補助金の財源確保と実施状況は。

(4)上記補助金の「放課後児童クラブ開所時間延長支援」は運営に不可欠となっているが今後の見通しは。
子ども・子育て支援新制度への先行的な支援を、今年度、政府が市町村事業として働きかけたものだが、市における実施と今後の見通しはどうか。

(5)施行期日と財源の見通しはどうか。
施行期日は平成27年4月1日、財源は消費背増税分から7000億円。これが当初の方針。消費税先送りによる子ども・子育て支援新制度の施行期日と財源の見通しをどう捉えているか。


<答弁>
(1)市における新制度の重要方針である3歳未満に対する施設提供は、待機無しで可能か。
計画の策定に当たり想定しています「0歳児から2歳児の保育の量の見込み」は、現行の定員を上回る数値としています。これは、育児休業制度があるものの、母親が就労を希望する傾向を加味し、これに備えようとするもので、特に0歳児の量の見込みを多く想定したものでございます。
 平成23年度以降の待機児童数が一桁台で推移している現状を鑑みますと、急激に待機が発生する状況とは考えておりませんが、このような母親の産後における就労希望に対応できる体制を目指すものでございます。これに対する確保の方策として、「幼稚園の認定こども園への移行を推奨し、これを支援すること」さらに、「小規模保育事業所の参入を促進すること」を計画に定める予定でございます。
実現の見通しとしては、市内幼稚園の展望として、認定こども園への移行を検討している園や認定こども園制度を研究している園、さらには、小規模保育事業所の併設を検討している園がございます。また、市外の事業者から小規模保育事業の当市への進出について、問合わせ等もございますことから、国が待機児童解消目標年度として掲げている平成29年度末までに、すべての提供体制が確保できるよう、多様な事業者の能力の活用を推進してまいります。

(2)放課後児童健全育成事業における支援単位と職員について、5施設の超過状況とその具体的対策は。
 新制度における市の支援の単位は、「児童おおむね40人以下」と設定しております。これは、小グループごとに2人以上の担当支援員が児童の支援に当たることとするため設定したものでございます。
現在、おおむね40人を超えている学童保育室は、10か所中6か所ございます。この6か所については、平成27年度以降においても、40人を超えることを見込んでおり、それぞれにおいて、2グループを編制し、グループごとに担当支援員を配置することを予定しております。なお、現在の指導員は、児童の登室の時間に応じ4名から7名体制でございますので、グループ分けをすることで、特に人数を増やさなければならない状況ではございませんが、パートタイム勤務のシフト編制や必要に応じた補充をしてまいります。

(3)新制度移行対策としての保育緊急確保事業補助金の財源確保と実施状況は。
 当該補助金につきましては、本年度予算(補正第2号)におきまして、特定財源として、国庫補助金を計上しております。なお、一般財源を含めた保育緊急確保事業の財源内訳は、おおむね国が3分の1、県が3分の1、市が3分の1となっております。
保育緊急確保事業は、新制度への円滑な移行を図るため、平成26年度に限り実施するもので、事業費のうち、国負担分は、消費税収を活用することとし、地方負担分は、地方消費税の増収分を含め、国において適切に地方財政措置を講じるとされております。

(4) 上記補助金の「放課後児童クラブ開所時間延長支援」は運営に不可欠となっているが今後の見通しは。
 議員ご指摘のとおり、本事業は、共働き家庭等の児童にとって安心・安全な居場所を確保するため、国における保育緊急確保事業のメニューとして、放課後児童クラブの質改善のための重要な取り組みと位置づけられています。
 本事業は、学童保育室が、平日について、1日6時間を超え、かつ、18時30分を超えて開所し、夏休み期間などについては、1日8時間以上開所する場合を対象とし、条件として、「防火・防災対策や自然災害対策を講ずること」とされています。
 今後の見通しにつきましては、保育緊急確保事業が、平成26年度に限り実施されるものであるため、これに代わる手当が引続きなされるものと予想されます。

(5)施行期日と財源の見通しはどうか。
 新聞報道によりますと、内閣官房長官が、「消費増税に伴う社会保障改革の柱である子ども・子育て支援新制度を予定通り来年4月から実施する方針を示した」とされております。また、「消費税率10%への引上げを1年半先送りすることにより不足する財源は、来年度予算編成までに検討する」とも報道されたところでございます。現在のところ、これ以上の情報はございませんことから、今後の国の動向を注視するとともに、万全な用意をしてまいります。


<再質問>
待機解消のための新制度の仕組みである小規模保育事業の参入レベルは、A、B、Cの3類型のどれを想定しているのか。参入者の条件よりも、子どもや保護者のことを考えて認可保育所並の条件とすべきではないか。

<回答>
市条例における小規模保育事業3類型の基準上の主な相違点は、国の基準と同様に保育従事者に占める保育士の割合で、A型は全ての保育従事者を保育士とし、B型は保育従事者の半数以上を保育士としています。C型の保育従事者については、保育士や保育士と同等以上の知識及び経験を有する者で、研修を修了した者としています。
事業の認可に関する児童福祉法の規定では、「計画に定める必要利用定員総数に達していない場合で、その申請が条例で定める基準に適合しており、かつ、その事業を行う者が法に定める基準に該当するときは、認可をするもの」とされております。
計画の策定に際して参入を想定している小規模保育事業の類型は、A型又はB型でございますので、可能な限りA型の参入を推奨してまいります。