政治に身を投じる若い世代

 県議選挙で川田さんのを応援していた時のこと。東京や関東各地の自治体で活躍している若い議員が何人か応援にきました。川田さんと同じ30歳台です。彼らは立教大学社会人大学院での同窓で、現在もいっしょに研究会で学んでいるとのことです。
 選挙中盤で2人と一緒に回って、高麗川団地で街頭演説を行いました。川田さんは演説がうまい。言葉がよどみなく出てくるし、それぞれの位置にピタッと納まっています。このお2人もうまい。うまいとしか言えない。
 私は、彼らの演説を聞いて本当にびっくりしてしまいました。自分との関係を紹介しながら候補者を褒め称え、そして自分の活躍も織り込みながら政治の在り方を述べ、最後にそれにふさわしい人が候補者であるから是非お願いします、と結ぶ。
 次々と繰り出される言葉は堅固に組み合わさり、石が積みあがっていくように決まっていきます。それも豊かな抑揚をもって流れていきます。
 マジかよ、これで30歳か、とあきれました。正直、彼らの後で話すのは気後れしました。どうして、こんなにうまいのだろう。聞きながら考えました。
 3人ともに共通しているのは、議員専業だとういうことです。地方自治の研さんを積みながら経験を重ねる中で、政治家として最も重要な資質としての「言葉を操ること」に励むことで演説は上達していくのだと思います。
 そして、それは“政治でめしを食っていく”ことの確固とした覚悟と信念に裏付けられているから迫力も力強さもあります。昔も存在したのかもしれなません、同じような若者が。しかし現在は、20台後半から30〜40台にかけての若い世代に、政治を目指す新しい層が出現したように感じます。
 彼らに共通しているのは、議員削減に一様に賛成していることです。政治でめしを食うことについて何ら臆することなく自身の識見を磨き言葉を操る技術の向上を図る――そうすることで自らの政治的商品価値を上げ、選挙という競争を勝ち抜いていく姿です。