原発事故の理不尽

 23日の朝日新聞3面は、全部、放射能測定に関する記事でした。
 この中で、「高濃度汚染水の流出 どう読み解く。最悪ケースに迫る値 短期間での放出問題」とする見出しで、汚染水を海に流す影響について書かれていました。気象研究所の元地球科学研究部長のインタビュー記事です。
 半減期が30年と長いセシウム137に関連して、過去の最悪の放射能汚染の例として、セラフィールドの海洋汚染について触れられています。福島第一原発の汚染水放出は、セラフィールドの汚染レベルに近いとしています。そして海水のモニタリングを詳しく行うべきとしています。
 スリーマイルもチェルノブイリもよく知られていますが、セラフィールドのことはほとんどの日本人は知らないのではないだろうか。原発の使用済み核燃料が日本から送られ再処理されて日本に戻る、またこのサイクルを今後国内で行うという計画。これらについて、六ヶ所村の核燃料再処理工場の建設決定時には議論されたのでしょうが、もう一度私達はその意義を知るべきだと思います。
 海も陸も放射能に汚染され、住んでいた人々は故郷を追われ職も放棄せざるを得ない。こんな理不尽はあるだろうか。夜の復興会議に関するNHKテレビで、南相馬市長は、原発の危機終息無くして復興はあり得ないと話していました。その通りだな、と思いました。