日本ビジネスインテリジェンス協会19周年懇親会で

 日本ビズネスインテリジェンス協会の19周年記念勉強会および懇親会に出席しました。会長の中川十郎先生が、創設以来の会員として招待してくださいました。協会に特に大きな貢献もしてないのですが、先生の本の出版に携わり、また古い会員というだけで気にして下さることには感謝と恐縮です。
 4人の創設メンバーの一人として、私も挨拶し、「奇跡のりんご」の木村秋則氏を引き合いに出しながら今年の稲作の成功について話しました。その恵みには、この研究会での多方面にわたる勉強の成果の一滴も入っているということも述べました。
 学界、ビジネス界をはじめ非常に多彩な人が集まります。参加者は、人脈の幅を広げたい、ビジネスのチャンスに、転職の情報収集に、政界進出を目論んで、各種の宣伝のために、あるいは気晴らしに、旧知に会う機会に、と様々な目的と思惑を持って参加します。
 各回懇親会やコーヒーブレイクの時に、いろいろな人と話すのですが、話す相手や話題の選択など、知識の勉強とは違う“活きた人間学”を学ぶ場としても、とてもおもしろい。、
 勉強会は、最先端の知識や各方面の研究の成果を各回2人の講師が手際良く解説してくれます。これは、耳学問、耳雑学として大いに価値があります。時には、国際的に活躍しているNGO関係者の登城もあります。
 初期の頃から、講師としてまた会長の中川さんの友人としてよく来られるのが小野田寛郎氏です。太平洋戦争終結から29年目にしてフィリピンルバング島から帰国を果たした氏は現在87歳。非常にお元気で野営を通じて子どもを鍛える自然塾を運営するなど活躍しています。
 フィリピンでの命令解除でジャングルから出てきて敬礼した時の姿は、目に焼き付いています。今夜もご夫妻で来られ歓談されていました。

ガダルカナル戦闘のカラー映像

 この記事を書きながら、ふと後ろのテレビのチャンネルをNHKに変えたら、いきなり戦争の場面が出てきました。「ガダルカナル」というナレーションがあったので、実写記録のようです。それにしては、カラー画面で余りに鮮明です。
 アメリカ軍にはカラーの記録があることは知っていましたが、日本軍の記録もカラーです。そんなはずはない、と思いつつ見続けました。ガダルカナル島の戦闘を日米双方の記録から編集しています。
 アメリカ軍の幾重もの機関銃の砲列に向かって突撃する日本軍。ひとたまりもありません。おびただしい日本兵の死体の散乱。戦闘に向かう兵の素顔がカラーで鮮明に映し出されます。彼はこの後戦死したのでしょう。艦船上の増援部隊の様子など個々の兵の表情がよく分かります。
 縁の人がこの記録を見たらどう思うであろうか。この兵隊の親たちはすでに亡くなっているでしょうが、この記録は戦争回顧番組で戦後、何回か放送されているはずです。息子の死への突撃を見た親の悲しみは計り知れないものだったと思います。
 15分ほどで番組は終了しました。「世界のドキュメンタリー よみがえる第二次世界大戦――カラー化された白黒映像」とタイトルにありました。そうだったのか。日本軍にカラー記録などあるはずがないと思って見ていたのですが、それでわかりました。
 ネットで検索してみたらありました。http://www.nhk.or.jp/frontier/warandpeace/0816.html
「最新のデジタル技術で白黒フィルムをカラー化
 第二次世界大戦は、小型化された映画カメラの発達により、戦闘の様子を動く映像で記録する初めての機会となった。戦争の様子は、各国の従軍カメラマンたちによって記録された。今回、世界各地で眠っている記録映像を再発掘。フランスとの国際共同制作で、最新のデジタル技術を使い、白黒映像のカラー化を進めてきた。色づけ作業は慎重に行われた。第二次世界大戦は、カラーのスチール写真も残され、兵器や軍服、日用品などの現物も多く残されている。それら1万件にのぼる色情報をデジタルでデータベース化。映像1フレームごとに、細かい色づけ作業を行った」
 BSとあるからNHKの事業のようです。カラー化されて何がよみがえるのでしょうか。流れ出た血の鮮紅色は、見る人に戦争忌避を確信する気持ちにつながるのか、どうか。