全国小さくても輝く自治体フォーラム

 2月7日と8日、自治体問題研究所主催の【全国小さくても輝く自治体フォーラム】が小鹿野町で行われました。第1回が03年に長野県で開かれて以来、ネーミングの良さもあってすっかり有名になりました。名物村長や町長が輩出し、各地のユニークな取り組みが紹介されて、合併に抗して生きる自治体の心意気が小気味よく感じられたものです。
 今回は、昨年の秋に行われる予定だったが国政選挙との関連で延期されていました。小鹿野で行われるという情報は、一昨年頃から「日高まちづくりフォーラム」の会員である小鹿野町両神の岩田さんから聞いていました。これは参加するいい機会だ、会員や希望者を募ってバスを仕立てて行こうと話していたのですが、参加費用が資料代だけで5000円もかかるとのことで中止となりました。私自身も凧上げ大会のスケジュールとぶつかり参加を断念、残念でした。
 資料代のみでのこの料金は市民が個人で参加するにはいかにも高い、このことを私は事務局に注文をつけました。大半の参加者は自治体関係者で費用も公的負担であろうから懐は痛まないのであろうが、市民の関心と賛同を得るには一考が必要ではないかと。この苦情が効を奏したのか、資料代は4000円に下げられていました。
 小鹿野町関係者は第3回以降参加していて、その熱心さと健康・福祉政策の高い評価が注目されての開催決定でした。平成20年、町の65歳以上の高齢化率が県内で二番高いのに医療費が最も低いことで、埼玉県の健康長寿のモデル地区となりました。小鹿野町では“健康一直線”を掲げて、保健・医療・福祉が連携し、地域包括ケアシステムの効果的運営を目指しています。これは注目すべき取り組みで、フォーラムでは関口和夫町長が「後期医療保険制度よりも、健康づくりが必要」とその政策のポイントを話しました。さらに、そこにどう農業が関わっているかも含めて、これは是非聞きたかったことです。
 資料は岩田さんに見せて頂こう。昨年の資料はさいたま市に行くついで(2月14日、過去記事)に持ってきてくれました。しばらく拝借してじっくり読んでみます。また岩田さんが勉強会に出席して詳しい話をしてくれることも楽しみです。

 記念講演は、大森彌・東大名誉教授の「『平成の合併』と基礎自治体のあり方」、名和田是彦・法政大教授の「地方制度改編のいまと小規模自治体の課題」。合併特例法以後の状況や道州制の見通しなどについて話されました。