介護保険事業計画

 31日は、高齢者福祉計画・介護保険事業計画の市民コメントの締切日。大急ぎでいくつかの疑問と「あるべき」意見をまとめました。地方自治体のの計画は国の計画に連動しており、日高市の今回の計画も平成24年度から始まる第5期介護保険事業計画に沿った改正を見込んだ策定です。
 専門分野だけに、全く素人の大雑把な意見に過ぎないのですが、まずは発信ということで、意見を出しておきました。文末のPdfです。
 介護保険制度は2000(平成12)年に創設され10年が経過しました。この制度に対しては、今年行われた国のアンケートでも約6割の人が、「大いにかまたは多少」評価しており、それなりの役割を果たしているといえます。しかし、老人はどんどん増え続けており、量的な増加に対してサービスの供給面でまた財政面からも十分な対応ができていません。
 団塊の世代が高齢者入りするため、平成25年には25%、4人に1人が高齢者になると予想されます。。日高市でも平成22年の高齢化率は21.7%で、平成19年以降、毎年約1%ずつ高くなっています。こういう環境は大体のことは誰でも分かっています。しかし、自分の身体に関することだけに、元気で動けている間は切実なこととして受け取れません。
 誰でも言うことは同じ。自分のことになってみなければ、あるいは身内のことにならなければ……、ということになります。包括支援センターの出前講座で、担当者がそれじゃ遅い、今からが大事、と声を大にしても叫んでも参加者は毎回少ない。自治会で介護保険制度の解説講座を担当してみてよく分かりました。
 元気に死んでいければいい、自分はそうするんだ、と言ってみたところで、そうなるかは分からない。私も昨年65歳、高齢者の定義に入った。96歳の母親のめんどうを見ていなければ、自分の問題ととらえず「自分は大丈夫だ」でしょう。
 自分が介護保険の世話になることはなかなか想像できないが、健康に元気にこの世におさらばしたい、ということであれば、皆思いは同じだと思います。それをどう実現していくか、介護保険制度はそのための互助の仕組みではないかと思います。
 介護保険制度の方向はこの3つであると思います。
1 高齢者が介護が必要になった時、自分の意志と身体で生活できるようサポートすること
2 介護を、施設ではなく、なるべく従来の自分の生活の場と地域でできるようにすること
3 何よりも、介護を必要としない身体を保つこと
 1と2の分野は、にわか勉強では理解できないほど、緻密な制度・仕組みによって運営されております。当然ですが、人間の生活はありとあらゆる側面からなっているので、介護する仕組み・制度も生活のありとあらゆる方面にわたっています。その複雑さと介護を必要とする高齢者・家族の間にあって、蝶番(ちょうつがい)の役割を果たしているのがケアマネジャーです。
 ケアマネジャーという制度は、本当にいい制度だと思います。高齢者に接するこころはもちろんですが、法と制度の理解に基づく最適な組み合わせを見つけてくれる専門知識を持ち合わせての仕事には、頭が下がります。
 複雑であるが故に、介護保険制度の問題はケアマネジャーと行政と専門業者の世界になりがちです。しかし、こと、3の「介護を必要としない身体」あるいは「低レベルの要介護となっても現状か以下に保つこと」に関することであれば、「健康に元気にこの世に……」の問題です。生き方の問題でもあります。
 私たち個々人の努力で何とかしよう。これからの時代は、この方向の考え方が重要になると思います。介護の実態と要望に基づくように制度を磨くことはもちろんですが、市民・住民の知恵と努力が積み上げられて、地域として成果が出るようにすることです。
 介護認定率を1%下げることがいかに大変なことであるか。しかし、時々、TV等でこの取り組みをしている地域が取り上げられ、あるいは率の低い地域の低さの解明ドキュメントが放映されます。実際に介護認定率を下げている市町村はあるのです。
 日高市の認定率を下げる秘策はあるでしょうか、秘策などいわずとも身近にあると思います。
介護保険事業計画意見.pdf 直