大晦日のブックオフ

 母の部屋の大掃除の後、ブックオフへ。
 1週間前から、本を買ってきてくれと頼まれていました。寝る前に本を読む習慣があり、以前買った本を全部読んでしまったとのこと。
 他のロードサイドの店が早く閉店する中、ブックオフは大晦日の深夜でも営業しています。100円コーナーに真っ直ぐ行き、好みに合いそうな本を見つけます。難しい本はダメというので、俳優の伝記や人気女性作家のエッセイなど10点ほどをかごに。レジに向かう途中で、棚に走らせていた視線が何回か止まりました。
 ついでに2点。

 『続年収300万円時代を生き抜く経済学』森永卓郎著。
 最近は、以前よりはよく本を買っています。議員活動に必要な本、議会や地方自治や個別分野の政策に関わる本です。全部読むわけではないが、参考になりそうな本はなるべき躊躇しないで購入です。アマゾンで1クリック、便利です。しかし、本の実物を手にとりながら、あれこれ渉猟しながらの本探しはやはり楽しい。
 正月に、息子夫婦が来ます。長男は外資時計メーカーに勤めている。一見華やかだが外資なんて、明日のわが身はどうなるかわからない。年収いくらだか知らないが大したことはあるまい。今の内に森永氏の経済観念を知っておいた方がいいだろう。手土産に進ぜよう、というわけです。
 その前に、ざっと自分でも読んでおこう。森永氏の考えはいろんな雑誌でも読んでいるので、知っているつもりだがこの本は読んでいません。この際読んでおこうと思いました。
 この人の戦争反対に、私も大賛成。イラク戦争開戦時にハッキリとキッパリと反対を公言し、日本のメディアと評論家の愚を批判しました。
 それはともかく、もう一つの購入の動機。一昨日乗ったタクシーの若い運転手の話です。日高市のタクシーの運転手の年収150万円。とにかくタクシーに皆乗らなくなったという。父子家族で小学生の息子が食事を作って待っているという。転職もできない、周囲の友人も収入のレベルはみな同じ、とのこと。タクシー業界は規制緩和の過当競争で低賃金化へ進んだ典型的な例です。
 森永氏の言う通りの経済環境になりました。300万円どころか150万円です。新自由主義の経済政策反対への固い信念にもう一度触れておこうと思いました。
 『葬式は要らない』島田裕巳著。
 首尾よく墓を用意した友人たちは多い。この所しばらく聞かないが、妻は以前から「お墓をどうするの」と聞いてきました。「葬式は要らない」が漠然と頭にあったので、曖昧に返事をしていました。岩波新書の棚に目をやったら、なにやらこの本のタイトルが浮かび上がって目に入ったので、ついでにかごに入れたというわけです。